使用済燃料プールにおけるほう素添加水のレベル測定

導入事例|原子力

  • 加圧水型原子炉 使用済燃料棒保管 における 安全性向上
  • 崩壊熱を効果的に除去し、放射線遮へいを確保するための冷却水位の 信頼性の高い監視
  • 放射線環境 向けに設計&適格化されたガイドレーダー レベルトランスミッター の採用
  • 保有水量管理 の高度化と 事故対応能力 の最適化
使用済燃料プールにおけるほう素添加水のレベル測定 app713

背景

EDFグループは、世界を代表する原子力事業者です。フランス国内では、EDFは全国に原子力発電所ネットワークを展開しており、これらの施設はエネルギー安全保障の維持に重要な役割を果たすとともに、ネットゼロのエネルギー未来の実現という同社の目標推進にも貢献しています。そのひとつが、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏に位置するトリカスタン原子力発電所です。

測定要求事項

加圧水型原子炉(PWR)の使用済燃料棒を取り扱うには、高精度かつ信頼性の高い監視&制御が必要です。燃料棒は燃焼後、原子炉から取り出され、使用済燃料プール(SFP)に保管されます。このプールは燃料取扱建屋(BK)内に設置されており、ほう素添加水で満たされています。これにより、発熱する燃料棒を冷却するとともに、周囲環境に対する十分な遮へいを確保し、作業員および周辺機器を放射線から保護します。使用済燃料は、崩壊熱が十分に低下した後にのみ、再処理施設へ搬送することができます。また、水にはほう素が添加されています。これは、ほう素が核燃料の反応度を低減する性質を持ち、プラント全体の安全性向上に寄与するためです。

安全上の理由から、使用済燃料プールの水位は連続的に監視する必要があります。福島第一原子力発電所事故以降、業界全体で使用済燃料プールの安全性向上に向けた追加対策が講じられてきました。このレベル測定の主な目的は、使用済燃料プール内の保有水量を維持し、冷却材喪失事故(LOCA)への対応力を高めることです。そのため、計装機器には放射線耐性に関する厳格な原子力規制への適合に加え、耐震性および事故時適格性に関する認証が求められます。最近の保守作業では、既設のレベルプローブが、最新のレベルトランスミッタへの更新対象として確認されました。

KROHNE ソリューション

原子力事業者は、KROHNEが原子力環境向けプロセス計装機器の開発/供給/保守において豊富な実績を有していることから、 POWERFLEX 2200 レベルトランスミッターを採用しました。このTDR方式のガイドレーダーは、原子力発電所の使用済燃料プール用途において確かな導入実績があります。

本アプリケーションでは、ガイドレーダーに電子部とプローブ間の延長部(S)を設けた仕様が採用されました。液位測定には、ほう素添加水中に浸漬されるシングルケーブルプローブを使用しています。プローブは、DN80フランジ接続によりプール端部に設置されています。プローブとフランジはいずれも原子力区域内に配置されており、そこから非照射区域に設置された電子ユニットまで、同軸ケーブルで接続されています。測定信号は、その電子ユニットから制御室へ伝送されます。

POWERFLEX 2200 は、適切な材質選定と柔軟な設計により、ガイドレーダーのコンバータをプローブから 100 m (328 ft) 離れた位置にリモート設置することを可能にしました。この構成により、コンバータを放射線被ばくから保護できます。

ユーザーベネフィット

POWERFLEX 2200 は、使用済燃料プール内のほう素添加水のレベルを高精度かつ信頼性高く測定することで、使用済燃料が常に完全に水没した状態に維持されるよう支援します。これにより、プロセス安全性と労働安全衛生の両面が向上します。また、このKROHNE機器は、冷却材喪失事故(LOCA)が発生した場合でも、運転を継続し、測定データを伝送できる設計となっています。さらに、その設計により、主要電子ユニットは同軸ケーブルを介して遠隔操作することが可能です。これにより、原子力区域内での手動による作業や確認を不要にします。その結果、この設置は、福島事故後に導入された安全強化策および要求事項に完全に適合しています。

KROHNEのガイドレーダーは、ASME Section III や RCC-M といった国際的な原子力規格への適合に加え、IEEE Std 323、IEEE Std 344、RCC-E などに基づく耐震 事故時適格性にも対応しており、原子力業界における基準機器のひとつとして確立されています。現在、原子力事業者は、この機器をすべての原子力発電所へ展開する計画を進めています。

使用製品

POWERFLEX 2200 S マイクロパルス(TDR)レベル伝送器  - センサー延長付きコンパクト仕様

原子力産業向けマイクロパルス(TDR)レベル伝送器

  • レベル 距離 体積 質量 誘電率の連続測定
  • 原子力産業に特化して設計 試験されたモデル
  • 測定範囲: 0.6…40 m / 2…131 ft
  • -50…+150°C / -58…+302°F; -1…100 barg / -14.5…1450 psig