ビール醸造所のバッファタンクにおける静水圧式レベル測定

導入事例|食品&飲料業界

  • 瓶詰め前の醸造ビール在庫の信頼性の高い監視
  • 高さ最大 17 m(56 ft)の円錐底円筒形ステンレス製タンクにおける電子式差圧測定
  • キャピラリーチューブを使用しないサニタリー仕様差圧伝送器の採用
ビール醸造所のバッファタンクにおける静水圧式レベル測定

背景

König Brewery は、Bitburger Brewery Group の完全子会社であり、ドイツ デュイスブルクでさまざまなビールを製造しています。創業者の名を冠した「König Pilsener」は、現在も同社の主力製品であり、ドイツを代表するビールブランドの一つです。

König Brewery では、2020年の終わり頃から、環境に配慮した気候中立の醸造を行っています。その主な手段は、排出の回避と削減です。現在の技術では避けられない残余排出については相殺措置を講じ、製造拠点におけるプロセス最適化にも継続的に取り組んでいます。こうした取り組みの一環として、2020年には新しい加圧タンク室の稼働を開始しました。本プロジェクトはすべて、König Brewery が自社で計画、実施したものです。

測定要求事項

圧力タンク室には、20基の円錐底円筒形ステンレス製タンクが設置されています。これらは、瓶詰め前の清澄ビールを貯蔵するバッファタンクとして使用されています。タンクの高さは最大 17 m(56 ft)、容量は最大 2,000 ヘクトリットル(約 53,000 米ガロン)です。醸造所では、ビール在庫量の管理のために信頼性の高いレベル監視が求められていました。

当初の計画では、タンクのレベル測定用に従来型の差圧測定を導入する予定でした。しかし、タンクが大型であることや、充填高さの関係から、この方法では対応できないことが判明しました。圧力伝送器の設置位置と下部プロセス接続部との高低差によって、キャピラリーチューブ内の封入液圧がいずれ蒸気圧を下回るリスクがあったためです。これは、液柱が崩壊する原因となります。こうした現象を防ぐため、封入液の特性に応じてリモート設置されるキャピラリーチューブの最大使用長さには制限が生じてしまうのです。

KROHNE ソリューション

機械式差圧測定に代わる高性能で信頼性の高いソリューションとして、電子式差圧伝送器 OPTIBAR 5060 eDP が導入されました。本機は2台のゲージ圧伝送器から成り、これらは電子信号ケーブルを用いて一次/二次伝送器として接続されています。アクセス性を考慮し、一次伝送器はタンク上部のノズル部、圧力 真空リリーフバルブのすぐ隣に設置されています。この一次伝送器が、タンク内の気体圧力を測定します。二次伝送器は、タンクの円錐形底部に設置されています。これがタンク内の全静圧を測定し、その測定値を一次伝送器へ送信します。そして、一次伝送器が両方の測定信号から正味の差圧を算出します。

本機器はキャピラリーチューブを使用しないため、既設タンクの高さ条件でも対応することができました。また、ダイアフラムシールを用いた従来型差圧測定とは異なり、小径のプロセス接続での設置が可能でした。一次/二次伝送器は、サニタリー接続仕様で装備、設置されました。

OPTIBAR 5060 eDP は、全面溶接構造のステンレス鋼ダイアフラムを採用しています。ダイアフラムの溶接部は接液シール面の外側に配置されているため、耐食性の低い溶接部や、ダイヤフラムと母材の接合部にプロセス流体が接触することはありません。これにより、腐食や漏えいに対する保護性能を高められます。伝送器内部の圧力伝達用封入液は、食品業界の各種要件を満たしています。食品用途向けには、封入液を使用しないセラミックダイアフラム仕様も選択可能です。KROHNE は顧客要件に基づき、電解研磨仕上げのステンレス製ハウジング仕様で OPTIBAR 5060 eDP を提供しました。一次伝送器は、Profibus-PA を介して測定値を醸造所の制御室へ送信します。

ユーザーベネフィット

OPTIBAR 5060 eDP の導入により、バッファタンク内のビール在庫量を確実に管理できるようになりました。醸造所のオペレーターは、制御システムを通じてバッファタンクを監視し、現在利用可能なビール在庫を一元的に把握しています。これにより、バッファ容量を計画的に管理しながら最大限に活用することができます。現在の体制では、数週間に及ぶ醸造工程と、数時間ですぐに終わる瓶詰め工程の間で、完璧な連携がとれています。

プラント全体に柔軟に設置できる電子式差圧測定は、封入油入りキャピラリーチューブを用いた従来型差圧測定に勝る信頼性の高いソリューションとして成果を上げました。一次伝送器には、タンク上部にも設置可能という利点もありました。

清澄ビールタンク室に導入されたのは、OPTIBAR 5060 eDP だけではありません。KROHNEは、他にも複数のプロセス計測機器を提供しました。電磁流量計、温度センサ、静電容量式レベルスイッチなども導入されました。

使用製品

OPTIBAR PM 5060 スレーブ電子部付き

レベル、差圧、密度測定用 電子式差圧伝送器

  • 電子式差圧測定システムを内蔵
  • 長いキャピラリーラインを伴うダイヤフラムシール設置の代替ソリューション
  • 静圧測定を統合し、追加のプロセス情報を提供
  • 2線式, 4…20 mA, HART®, FF, Profibus-PA, Bluetooth®