魚油製造工程で発生するプロセス水のインライン濃度測定
導入事例 | 食品 & 飲料
- 油生産工程から発生するプロセス水の蒸発制御のための懸濁固形分の連続監視
- 過濃縮と閉塞を防止することで、歩留まりとプラント効率が向上
- 高精度コリオリ流量計を用いたプロセスの自動化と標準化
- インライン密度測定により、時間のかかるラボ分析を不要に
背景
Agustiner S.A. は、アルゼンチンのマルデルプラタに拠点を置き、魚粉、魚油、および養殖飼料を専門に扱う企業です。1965 年に設立された同社は、2 つの近代的な工場を運営し、1 日あたり約 600 トンの原料を処理しています。生産量の約 80 %を日本、中国、EU、南アフリカなどの市場へ輸出しており、高品質な海洋由来たん白製品のメーカーとして高く評価されています。同社の従業員数は約 200 名です。
測定要求事項
同社は、生産歩留まりの向上と環境負荷の低減を目的として、魚油製造工程で発生するプロセス水の処理も行っています。この排水には栄養分やたん白質が豊富に含まれており、濃縮することで飼料製造に有効活用できます。同社は、最終的な濃縮物を得るために、4 重効用蒸発装置を使用しています。4 重効用蒸発装置とは、4 段階に分けて液体を蒸発させ、濃度を高める多重効用システムの一種です。これらの段、すなわち「効用」は直列に接続されており、ある効用で発生した蒸気を次の効用の液体加熱に利用することで、熱伝達を最大化し、エネルギー消費を低減します。最終製品の質を均一に保ち、各段階での閉塞を防止するためには、プロセス水の濃度測定が欠かせません。
従来の方式では、作業者が屈折計を用いて手動で濃度を測定し、さらにラボ試験を行う必要がありました。この手動プロセスでは連続測定ができず、時間もかかるうえ、作業者の技量差や各回の作業のばらつきも課題となっていました。プロセスを自動化するために、工場では他の技術も試しましたが、なかなか上手くいきませんでした。それらの代替技術では、最終製品に適した濃度を管理できるような、安定した精度の高い測定結果を得ることができなかったのです。
こうした課題に対応するため、工場ではプロセス水の濃度を連続的かつ確実にインライン測定できる仕組みが求められていました。それがあれば、最終製品の濃度を均一化できるだけでなく、プロセスの合理化が可能となり、手動測定やラボ試験に頼っている状況を改善できます。
KROHNE ソリューション
KROHNE は、プロセス水の混濁固形分濃度を連続測定するための機器として、OPTIMASS 6400 を提案しました。このツインチューブ曲管型コリオリ流量計は、密度測定機能を内蔵しており、手作業を行うことなく濃度をインラインで算出できます。測定値は顧客の PLC へ送信され、蒸発プロセスをリアルタイムで自動制御し、定められた濃度しきい値内に維持するために使用されます。
このコリオリ流量計はオールインワン機器としての機能を備えており、密度測定値だけでなく、流量および温度のデータも取得できます。OPTIMASS 6400 は工場校正済みです。流量測定の精度を高めるため、立ち上げ時には流量計を制御システムに接続した状態でゼロ点校正が実施されました。このほかには追加の設定作業は不要でした。
ユーザーベネフィット
多機能なコリオリ流量計により、プロセス水の蒸発工程全体が、最適な製品歩留まりを目指して標準化、自動化されました。これは、OPTIMASS 6400 を導入していなければ実現できなかったことです。
連続監視により、過濃縮とそれに伴うファウリングを防止できるため、プロセスの安全性を保ちながら設備を連続運転することが可能になりました。閉塞による不要な洗浄停止は不要となり、現在では品質基準を満たす安定した最終製品を製造することができています。同時に、屈折計の操作やラボ分析といった時間のかかる手作業も過去のものとなりました。
濃度は最終製品の品質を左右する、このプロセスで最も重要なパラメータであるため、OPTIMASS 6400 の導入によって全体効率は大幅に向上しました。また、生産の安定化により、生産チェーンにおける後工程の標準化も可能になりました。自動化の流れは工場内の同一設備にも広がり、プラント運転の効率と一貫性をさらに高めました。