下水処理場放流口における開水路流量監視
導入事例 | 上下水道
- 最終沈殿池からの 処理水 流量 を 高い信頼性 で測定
- 台形スロートフリューム 上流側に 80 GHz レーダー レベル計を設置
- 設定可能なコントロールユニットによる 現場監視と プロセス制御
背景
ポーランドのある下水処理場では、複数の最終沈殿池で処理された排水を、プラント出口の開水路システムを通じて放流している。放流水は、越流部(フリューム)を備えた2本の開水路を通り、最終的に隣接する水域へつながる1本の自然流下ラインへ導かれる。
測定要求事項
水量バランスの把握やプラント性能の監視のため、処理水は連続的に監視する必要がある。この下水処理場の2本の開水路には、ISO 4359に準拠した台形スロートフリュームが設けられており、流量監視を行える構成となっている。フリューム上流側の水位を測定することで、スロート部を通過する流量を算出できる。各台形フリュームの平均流量は 600 m³/hである。また、フリューム上流側では、常に常流状態を維持する必要がある。
以前、顧客は長年にわたり超音波レベル計を使用していた。しかし、この機器は次第に信頼性が低下し、流量の急上昇や不規則な変動など、フリューム下流側での比較測定結果と一致しない不自然な値を示すようになっていた。周囲温度の変動や風の影響は測定を乱す要因となり、超音波レベル計は長期使用の中で性能低下を起こすことがある。特に超音波レベルセンサーは、温度変化や大気圧の影響を受けやすく、これらを完全に補正することは難しい。そのため同社は、予算内で導入でき、しかもより堅牢で信頼性の高い代替手段を探していた。
KROHNE ソリューション
そこでプラント運転者は、 OPTIWAVE 1540 レーダーレベル計と SHD 200 コントロールユニットを組み合わせたソリューションを採用した。コンパクトでコスト効率に優れた80 GHzレーダーは、台形スロートフリュームの上流側に設置された。この非接触レーダーは、堅牢なPVDF製ハウジングとアンテナを採用しており、上下水処理設備の屋外環境に見られる厳しい条件にも耐えられるよう設計されている。本アプリケーションでは、長期的な耐久性を確保し、浸水や豪雨の可能性にも対応するため、IP68仕様が選定された。
高い精度と優れた再現性を備えているため、このレーダーは、台形スロートフリューム、矩形スロートフリューム、その他の各種フリュームを用いた開水路の流量測定に適している。80 GHzレーダーの設定と立ち上げは、 OPTICHECK Level Mobile アプリ の使いやすいインストールウィザードを利用し、Bluetooth® 経由で短時間で行うことができた。アプリには、台形スロートフリューム向けのテンプレートがあらかじめ登録されているため、フリュームのサイズや寸法などの基本情報を入力するだけで、すばやく設定を完了できる。立ち上げ作業はKROHNEのサービス部門が実施したが、このアプリ自体は、レベル計の設定にあまり慣れていないサービス担当者でも比較的容易に扱えるよう設計されている。設置後、レベル計は測定した越流水位に基づいて流量を演算し、出力する。OPTIWAVE 1540 で取得した測定値は、SHD 200 コントロールユニットへ送信される。
SHD 200 はループ給電式の機器で、アナログ出力および HART® 通信を介して、さまざまな測定値や診断情報を現場で確認できる。表示される情報には、現在の流量、積算流量、測定レベル距離のほか、レーダー信号強度やループ電流といった診断値も含まれる。これらのパラメータはすべて、バックライト付き画面に見やすく表示される。さらに SHD 200 では、選択したパラメータのトレンドグラフ表示に加え、状態表示、警報、しきい値制御に利用できる2点の設定可能なリレーも備えている。
ユーザーベネフィット
KROHNEのレーダーレベル計は、最終沈殿池から放流される流量を、コストを抑えながら信頼性高く監視できる。超音波レベルセンサーとは異なり、このレーダーレベル計は風や天候の影響を受けにくく、結露が発生するような条件下でも安定して動作する。最大測定誤差はわずか±2 mm / ±0.08 inで、80 GHzレーダーは高い測定精度を確保しながら、顧客の予算条件にも十分対応できる。また、他の OPTIWAVE 1540 と同様に、このレベル計も工場出荷時に校正証明書付きで納入されており、公称精度を裏付けている。
80 GHzレーダーには OPTICHECK 技術が標準搭載 されており、単なる測定値の出力にとどまらない幅広い情報を提供する。プロセスの安定運転に役立つ各種アプリケーション診断および機器診断にも対応している。さらに、ボタン操作だけで現場におけるワイヤレス検証を行うことができ、フリューム設置場所で筐体を開けたり、機器に直接触れたりすることなく、機器の状態確認を実施できる。SHD 200 はリモートローカル表示器として機能し、安全な距離を保ちながら測定値や診断情報を明確に確認できる。また、しきい値を超えた場合にも、迅速な対応やプロセス制御を支援する。