ダム貯水池からの放流水のクランプオン流量測定

導入事例 | 発電

  • 水力発電ダムの洪水吐から流れる放流水の流量監視
  • DN2300 炭素鋼配管における非侵入型流量測定
  • 不具合のあった開水路流量測定から方式を変更
  • 測定の精度と信頼性が大幅に向上
ダム貯水池からの放流水のクランプオン流量測定

背景

今回取り上げるのは、トルコのポルスク川にある多目的コンクリートダムです。このダムは水力発電を行うとともに、飲料水や灌漑用水の重要な貯水池としても機能し、トルコ北西部の都市エスキシェヒルの生活を支えています。

測定要求事項

飲料水の供給用に安定した流量を確保するため、貯水池から一定量の水がプラントの洪水吐を通じて放流されます。洪水吐は、洪水が起こった際に余剰水を安全に放流し、ダム頂部から水が溢れてダムを損傷するのを防ぐ役割も担っています。洪水吐から放流される水の流量は最大 30 m³/s に達することもあり、連続的な監視が必要です。

かつてこのダムでは、実際の流量および積算流量を開水路流量計によって測定しようとしていました。しかし、その方式では期待したような成果が得られなかったため、より精密で信頼性の高い流量計に置き換える必要がありました。新しい流量計は、洪水吐の加圧炭素鋼配管に設置されることになりました。また、既存インフラを変更しないことも事業主の条件の一つでした。そのため、水配管を切断したり取り外したりする方式は除外されました。

KROHNE ソリューション

KROHNE は、超音波クランプオン流量計 OPTISONIC 6300 W の導入を提案しました。非侵入型設置が求められる場所で、恒久的に流量測定が行えるよう設計された装置です。本装置は、約 70 年前に設置された炭素鋼配管(口径 DN2300)に取り付けられました。流量計を設置できる配管区間は 1 か所のみで、スペースも非常に限られていました。

洪水吐配管の口径が非常に大きいため、大型センサーレールを用いた Zモード構成 による流量測定が採用されました。特許取得済みの IP68 対応ステンレス製センサーレールは、ピット内の厳しい浸水環境にも耐えることができました。金属ストラップ付きの調整可能なセンサーレールにより、トランスデューサの正確な設置と、配管表面への確実な音響結合が可能になりました。これにより、安定した正確な測定を長期間維持することができます。

さらに精度を高めるため、流量計と合わせて 2 組のトランスデューサ に対応できる壁掛け型信号変換器 UFC 300 W も導入されました。この信号変換器は、センサーレールから最大 30 m 離して設置できるため、ピットの外から測定値を簡単に確認できます。測定信号は 4~20 mA 信号として制御室にも送信されます。

ユーザーベネフィット

ダムの監視体制が強化され、洪水吐から放流される水の瞬時流量および積算流量を適切に把握できるようになりました。OPTISONIC 6300 W を用いたクランプオン流量測定により、測定の精度や信頼性は従来方式と比べ格段に向上しました。特許取得済みのステンレス製レールシステムによる高精度なセンサー設置により、この流量計は導入当初から優れた安定と信頼性を発揮しています。

設置条件やスペースの制約を踏まえると、本装置はまさに理想的なソリューションでした。炭素鋼配管の切断やプロセス停止は必要ありません。超音波クランプオン流量計は、配管を開放したりバイパスを設けたりすることなく、安全に設置することが可能でした。また、既設の古い配管に新たな漏えい箇所が発生するリスクもありませんでした。このようにして、KROHNE は事業主の希望通り、安全で柔軟性の高いソリューションを低コストで実現したのです。

使用製品

OPTISONIC 6300 - 中型センサーレールおよびUFC300Fシグナルコンバーター付きモデル

液体用クランプオンタイプ超音波流量計

  • 据え置き設置で、プロセスを中断したり配管を切断したりすることなく、任意の箇所に設置可能
  • 最高使用温度 +200°C / +392°F
  • 対応配管径 DN15...4000 / ½...160"に対応する頑丈なステンレス製センサーレール
  • 4...20 mA、HART®7、Modbus、FF、Profibus-PA/DP