排水ポンプ場における非接触レベル測定
導入事例 | 上下水道産業
- 排水システムのポンプ制御向けのコスト効率に優れたレベル測定
- 低コストで運用でき、センサーの清掃がいらないメンテナンスフリー設計の 80 GHz レーダーを採用
- スマートフォンと Bluetooth® により、レベル伝送器のパラメータ設定がすぐに完了
- 既存の水中投入式レベルプローブを置き換えることで、出動対応を抑制し、保守費用を削減
背景
ノルウェー アーケシュフース県に位置する地方自治体オースコグ-ホーランドは、1,100 km²(425 平方マイル)を超える広大な面積を有していますが、人口は約 18,000 人と比較的少なく、各地に散らばって居住しています。そのため地域の公共事業体は、自治体全域に向けて、多数のポンプ場を有する広範な下水ネットワークを運営しています。
オースコグ-ホーランドの排水システムは、86 か所のポンプ場と 340 本以上の自治体配管から成り、5 か所の下水処理場へ汚水を送っています。この自治体では、継続的な技術革新の取り組みが進んでいます。ポンプ場の運用を改善しつつ全体コストを削減し、最小限の支出で最大限のサービス品質を実現するためです。
測定要求事項
ポンプ場では、ポンプ制御の効率を高め、オーバーフローや空運転などの問題を防ぐために、継続的なレベル監視を行うことが不可欠です。その測定値をもとに、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)によってポンプが制御され、レベルが規定範囲内に保たれます。
この自治体では最近まで水中投入式レベルプローブを使用していましたが、この体制では保守負担が大きいことが判明しました。衣類やウェットティッシュなどの異物が原因でセンサーが頻繁に詰まり、レベル測定に支障が出るほか、ポンプ制御やシステム全体の性能にも影響が生じていました。プローブの正常動作範囲を外れた場合はアラームが作動し、自治体のサービスエンジニアが即時対応しなければなりませんでした。こうした突発的な作業が頻繁に生じる状況は、衛生的にも環境的にも好ましいものではなく、余計な時間やコストもかかっていました。
エンジニアの出動、特に通常勤務時間外に発生するケースは、事業者に多大なコスト負担をもたらしていました。運用コストを抑えながらポンプ制御を着実に実施するため、オースコグ-ホーランドは費用対効果に優れた信頼性の高い計装を求めていました。
KROHNE ソリューション
KROHNE は、ポンプ場での非接触レベル測定用としてマイクロ波レベル伝送器 OPTIWAVE 1520 を導入することを提案しました。本伝送器は費用対効果に優れ、2 線式 80 GHz のコンパクトな作りで、ポンプ場のような過酷な環境を含む排水用途向けに特別に設計されています。ポンプ場内部と外気との温度差により、アンテナには結露が頻繁に発生しますが、こうした要因にも影響を受けることなく、安定した性能を維持します。小型設計のため、ポンプ場のコンクリート床に設けられた小さな円形開口部にも設置することができました。OPTIWAVE 1520 のアンテナおよびハウジングは、いずれも耐久性の高い PVDF 製です。浸水対策として、KROHNE は IP68 保護等級仕様のレーダーを推奨しました。
そして、オースコグ-ホーランドのポンプ場の 1 つでレーダーの試験運用が実施されました。仮設置作業は OPTICHECK Level Mobile アプリを用いて行われ、80 GHz レーダーは30分足らずで稼働を開始しました。本アプリでは、ポンプ場を含む幅広い用途に向けたテンプレート設定が用意されており、経験の浅いサービス担当者でも用途に応じたパラメータ項目をいくつか入力するだけで機器を立ち上げることができます。テストを通じ、ポンプの起動および停止機能が正常に動作することが確認されました。
ユーザーベネフィット
OPTIWAVE 1520 は期待通りの性能を発揮し、正式に採用されることになりました。費用対効果に優れた非接触レーダーとして、自治体から高く評価され、導入台数の拡大も決まりました。現在、オースコグ-ホーランドでは OPTIWAVE 1520 の在庫を交換用として確保しており、必要に応じて残っている水中レベルセンサーと置き換える予定です。
オースコグ-ホーランドのポンプ場に導入された KROHNE のレベル伝送器は、安定した信頼性の高い連続レベル測定によってポンプ制御を支えています。保守作業や現場での手動対応は大幅に減りました。これまでは水中投入式レベルプローブの保守や清掃が頻繁に発生し、勤務時間外の出動を伴うケースも少なくありませんでしたが、そうした状況が解消されたことで、自治体や住民のコスト負担も減少しました。さらに、現場対応スタッフが排水に曝される機会が減ったことで衛生状態が大きく改善し、労働安全および環境安全性の向上にもつながっています。
OPTIWAVE 1520 はコンパクトな 2 線式で、信号変換器や制御ユニットを別途用意することなく、制御システム(PLC)へ直接接続できるため、設備投資や運用コストは最小限で済みます。Bluetooth® 通信でモバイルアプリを起動し、ステップごとのインストールウィザードに従う形で簡単に設定が完了するため、短時間でスムーズな機器交換が可能です。この自治体では、内蔵型診断機能 OPTICHECK も活用し、レーダー信号の強度解析などを行っています。この機能により、機器の設置状態や測定条件を適切に保つことができ、長期安定した信頼性の高いレベル測定が実現します。