パーシャルフリュームにおける排水流量測定
導入事例 | 上下水道産業
- ブロイラー生産時に排出される排水の流量監視
- 80 GHz レーダーによる、長期安定性と信頼性を備えた開水路の流量測定
- 故障した超音波レベルセンサーの更新
背景
中米のある食品会社は、食肉用ブロイラー種の生産および販売を専門としています。同社の鶏肉製品の販売先は幅広く、北米各地の著名な小売店やスーパーマーケットチェーンも対象としています。
測定要求事項
同社は、製造工程で発生する排水を隣接する排水処理施設(WWTP)へ毎日排出しています。排水量が普段の平均値を超えた場合には、処理施設へ通知し、プロセスが停止しないよう処理能力を調整してもらう必要があります。また、鶏肉加工工場の排出口における流量は、生産効率や品質を示す指標にもなります。そのため、過剰な流量排出は確実に検知し、根本原因を突き止める必要があります。
排水は、6 インチのパーシャルフリューム(ISO 9826)を通じて排出されます。この水理構造にはスロート部が備わっており、ここで流速が増加し、水位が低下します。スロート部の上流側にある収束部の決まった位置で水位を測定することで、標準式またはフリュームチャートを用いて流量を算出することができます。
同社では、それまで長年にわたって超音波レベル伝送器を使用していました。しかし監査の結果、下水負荷量を確実に算出し、立方メートル毎時(m³/h)で安定した測定値を得るため、より精密で安定性に優れた計測機器を導入する必要が生じました。元々使用していたレベル伝送器は、湿度、風、温度変化といった環境要因により、測定不良や経時的なドリフトが発生していました。そのため、環境条件の影響を受けない、より堅牢な測定技術が必要でした。
KROHNE ソリューション
超音波式に代わり、マイクロ波レベル伝送器 OPTIWAVE 1540 が導入されることになりました。このコスト効率に優れた 80 GHz 機器は、開水路での流量監視向けに最適化されています。レーダー技術を採用しているため、結露、雨、風、温度変動の影響を受けずに安定して動作します。また、前面フラッシュ型レンズアンテナを備えた堅牢な PVDF 構造を採用しています。今回の用途を踏まえ、大雨や浸水時にも高い防水性能を発揮する IP68 仕様の OPTIWAVE 1540 が選ばれました。
本機器の試運転は、Bluetooth® 接続対応のモバイル機器と、OPTICHECK Level Mobile アプリの直感的なインストールウィザードを使用して迅速に実施されました。アプリにはパーシャルフリューム用のテンプレートが用意されており、80 GHz レーダーのパラメータ設定は、レーダーから底部までの距離とフリュームのスロート径を入力するだけですぐに完了しました。この KROHNE アプリにより、プロセス計装の経験が浅い担当者でも、自分で操作してスピーディに正しく測定設定を行うことができました。
80 GHz レーダーは、フリュームの絞り部の上流側に設置されました。この装置は水面までの距離を正確に測定し、そこから流量を算出します。また、このKROHNE レーダーはプラント設備へ容易に統合することができました。排水量の積算およびプロセス全体の制御、信号処理を行うため、流量データはプラント内の既存の制御装置へ送信されます。顧客の希望によっては、SCU 200 や SHD 200 といった制御/操作ユニットも含めて KROHNE から一括供給することも可能でした。
ユーザーベネフィット
OPTIWAVE 1540 の信頼性の高い機器として実証されており、従来の機器と比べてはるかに安定した高精度の測定が可能です。これにより、同社では異常な測定値が出た場合も迅速に対応することができます。屋外に設置される本レーダーは、現地の気象条件への適応性に非常に優れており、超音波レベル測定によく見られるような問題は生じません。
KROHNE の 80 GHz レーダーによる測定値は、現在では排水処理施設(WWTP)の運転者にとって信頼できるデータとして活用されており、必要に応じて処理能力の調整が可能となっています。最大測定誤差 ±2 mm(±0.08 in)という高精度により、パーシャルフリュームの流量計算で求められる正確な水位測定を実現し、コスト面でも予算の範囲内に収まっています。OPTIWAVE 1540 の他モデルと同様、このレーダーは仕様に記載された測定精度を証明する工場校正証明書付きで供給されました。